諏訪湖の御神渡り
5年ぶりに諏訪湖に現れた「御神渡り」
夜と昼の寒暖差によって諏訪湖の氷が伸縮・膨張を繰り返し湖面がせりあがる。
現象だけを説明するとそうなるのですが、殊、諏訪湖ではそれだけでは済まない歴史と人々の想いがあります。
神様の通った恋路「御神渡り」
遠い昔、遠い昔、諏訪にはタテミナカタノミコト(男神)とヤサカトメノミコト(女神)という二人の神様がいました。
二人は諏訪大社上社で仲良く暮らしていましたが、ある日些細なことで大げんかとなり、
ヤサカトメノミコトは日用品を持って、諏訪大社下社へと出て行ってしまいました。
その後、二人の神様は諏訪湖を挟んで上社(諏訪市)と下社(下諏訪町)に暮らしていますが、
上社の神様が村人(諏訪の住人)の目を盗んで下社の女神に会いに行くことがある。
その通い路こそ、「御神渡り」なのです。
なので、拝観式をして、正式に「神様の通った道である」と認められなければ「御神渡り」ではないのです。
そして、その「御神渡り」ができたということは、
上社の男神さまが無事に下社の女神さまに会うことができた、ということなのです。
因みに、この「御神渡り」を認定する拝観式を行っているのは八剱神社といい、現在は小和田地区にありますが、
かつては諏訪湖畔の高島にありました。(高島城築城のため、村ごと小和田へ引っ越したのです)
八剱神社では室町時代から御神渡りを記録していて、その記録簿『御渡帳』は市の文化財に指定されています
諏訪の神様と上諏訪温泉
先ほどの神話に、ここ上諏訪温泉も無関係ではありません。
ヤサカトメノミコトが手回り品を持って諏訪大社下社へ移る際に、
化粧に使うお湯を綿に染み込ませて持って行ったのですが、途中でポタポタと雫が滴り落ちます。
その雫が土に触れたところからお湯が沸き出てきました。
それが現在の上諏訪温泉・下諏訪温泉と云われています。
女神さまの化粧水が温泉となって湧いているのですから、上諏訪温泉も下諏訪温泉も「美人の湯」と
言えるかもしれません。
御神渡りを見るには
御神渡りは湖畔から沖に向かって延びています。
なので、見られるポイントは御神渡りの出発点・到達点になります。
① 下諏訪町赤砂崎公園付近(地図中赤ピン) …一之御神渡りの中継地点
無料駐車場あり (マイクロバス利用可) 足元良く、天気が良ければ遠くに富士山も見られます
湖畔に御神渡りの説明看板があります
🚙アクセス JR中央線下諏訪駅から1.9km タクシー6分 徒歩20分
② 岡谷市湊小学校前付近(地図中紫ピン) …一之御神渡りの中継地点
臨時駐車場あり(無料)(バス駐車困難) 足元良い。トイレは釜口水門前湖畔公園(約500M)にあり
交通量の多い湖畔道路を横断するので、充分ご注意ください
🚙アクセス JR中央線岡谷駅から2.5km タクシー10分 徒歩35分
③ 諏訪市間欠泉センター付近(地図中緑ピン) …遠くに佐久之御神渡り
無料駐車場あり (バス利用可) 足元良く、足湯・間欠泉あり
湖畔に御神渡りの説明看板があります
🚙アクセス JR中央線上諏訪駅から1.1km タクシー5分 徒歩15分
④ 判の木川河口付近(地図中橙ピン) …一之御神渡りの出発地点
駐車場は諏訪中央公園の駐車場利用(無料)(バス利用不可) 足元良く、橋と並行に
進む御神渡りを観察できる
湖畔道路を渡るので、横断には十分注意してください。
🚙アクセス JR中央線上諏訪駅から3.0km タクシー10分 徒歩40分
【注 意】
・御神渡りの鑑賞は必ず陸地から行い、湖には立ち入らないでください。
・諏訪湖の氷は厚さにムラがあり、非常に危険です。
〇誤って氷の薄いエリアに立ち入ると落水の恐れがあります。
〇万一落ちた際の救助活動が困難で、直ぐに引き上げることができません。
・路上駐車、私有地への立ち入りはしないでください。